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お ん ぞ う え く
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四苦八苦という言葉がある。
四苦は、生、老、病、死であるが、では残りの四苦とは?
記憶している仏教本によれば、
1.あいべつりく(愛別離苦)・・愛する者との別離の苦しみ。
2.ぐうふとくく(求不得苦)・・求めるものが得られない苦しみ。
3.ごしゅうんく(五取蘊苦)・・物質と精神に執着する苦しみ。
4.おんぞうえく(怨憎会苦)・・怨み憎む者と出会う苦しみ。
そう、この世のものとは思えないあの不気味な輩との衝撃の出会いの話である。
夏の夜、家族四人は食事を終えたが、
まだ帰って来ない長男のとんかつがポツンと一皿。
新聞を読む人、テレビを見て笑い転げている人、それぞれ。
明るいナショナル、明るい食卓。
やがて長男が帰宅し、さあ、とんかつを食べようという時、
皿に身を乗り出していたのは、なんと、あの黒光りする帝王ゴキブリだった。
これっきり、これっきり、もう、これっきりにして欲しい、ぎゃぁぁ。
深夜トイレに起きると冷たい茶が欲しくなる。
寝惚け眼で冷蔵庫開けると、庫内の天井にへばりついて震えている
茶羽根ゴキブリの姿が。
悪夢蘇る、ぎゃぁぁぁ。
初夏の頃の夜は、日々、気温差がある。
涼しい夜は夏布団にタオルケット。
暑ければタオルケットは床にはね除けられることに。
そのまま数日が過ぎた。
テレビで夜から明け方までの気温変化を確認すると、
どうやら今夜はタオルケットが必要になりそう。
目をやると、なにやら小さな黒いものがチョロチョロと動いているような。
なんだろう?
老眼鏡をかけて見ると、なんと、
赤ちゃんゴキブリがわんさかわんさか駆け回っていた。
まだまだ続きそうな、ぎゃぁぁぁぁ。
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エッセイとカット:まかせ手 |
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