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独立型の居宅介護支援事業所 ケアプランそら 
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エッセイのページ
 昭和の名器
 

ある日突然・・二人が黙るのは歌の世界であって、現実は予期せぬ出来事の枕詞となるのが常である。
そう、ある日突然、シンクの排水が悪くなった。
なんで?
今はまず蓋が被せてあり、それからゴミ受け籠、さらに切れ目のあるゴム蓋と三重になっているので、大きなゴミなど流れるはずがない。
どうしよう、今日は金曜日。業者は土曜日曜は休みだ。
耳に馴染んだはずの「暮らし安心クラシ~」のメロディーもブッ飛んでいる。
落ち着いて、落ち着いて、困った時は団地の管理事務所。取り敢えず馴染みの業者を聞いて頼んだものの、いつ来てくれるかはっきりした返事はもらえなかった。
何かできることは?
ああ、アレだ、アレがあったら。
昔の流しは直径5センチくらいの排水ロだけだったので、あれよあれよと言う間に野菜屑等が流れていき、よく詰まった。そんな時のためにどこの家にもあった。ゴム製でお碗の形。外側の底には50センチほどの棒がついている。排水口に被せ、周囲に水を貯め、ボコボコと上下運動させた後、スポッと外すと流れが良くなる。
和製英語でラバーカップと言うそうだが、当時はそんな小洒落た名前など聞いたことがなく、ボコボコと呼んでいた。
誰か持っていないかなあ。けれど持っていたとしてもコロナ禍だから借りにいくのも憚られる。
できることと言えば・・大きな鍋に水 を汲んで、蓋を全部取り払ってガバッと流してみた。するといくらか流れがよくなった。ホッとして、目を少し上にやると、壁にかけてある排水管を洗うブラシの先端が無くなっているのを発見。
犯人はこれだ!
安心した翌日、これから行きますと連絡。
業者が持ってきた道具はあの懐かしいボコボコだった。
数回やって、「ああ、これならいいですね」
昭和の名器は手数料も無料というオマケ付きでした。

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