事業所番号1374202404
独立型の居宅介護支援事業所 ケアプランそら 
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入 院 生 活 今 昔 物 語 ( 後 編 )

 

昭和 —Long long time ago
昔々の人院は6人部屋。通路もゆったり。朝になるとカーテンを開けて元気良くご挨拶。
回診や治療時以外は夜までそのまま ある日の午後、皆様は昼寝。
私は煎餅を食べながら読書。静寂のなかで、バリッ、ボリボリボリ。
しばらくすると一人が起きて言った。
「何よお、自分だけいい匂いをさせて」
お見舞いにいだいた草加煎餅を慌てて皆様に配った。
ところが催促した人は胃の患者さん。
「食べてはダメよ、舐めるだけにしてね、いい」と念押し。しばし醤油の味を楽しむと、「ああ、美味しい」
九時に消灯になると、一人がむくっと起き上がる。また一人。
またまた一人。
結局、全員が起き上がり暗いのをいいことに 亭主のこき下ろしや猥談が始まる。-・・人独身者がいたが、「娘じゃないよ」とあっさりしたものだ。
ワハハ、ワハハと一時間ほど続くと看護師さんの見回り。
「楽しそうね、でも、そろそろ」
ここで、ようやくカーテンを閉めて、「おやすみなさい」
その時のルームメイト?とは、今も年賀状のやりとりが続いている。

東京での入院では、「・・でございます」と話す。
いかにも都会の老婦人と思える人が退院する時に、端の人に
「梅干し食べる?」「うん、ありがとう」
え?梅干し?そんなのあり? こは滅塩必須の心臓専門病院でしよ。その人が退院する時は、私のところに梅干しが来た。辛くなくて甘味さえある美味しい梅干しだった。東京特許許可許可。
群馬の患者さんからは方言について聞かれた。
「『たわけ』って名古屋で言う?」
「もちろん、でも、そんなにはっきりとは発音しないよ。
『たあけえ』というふうね」
昭和の入院生活は、苦しいことやツライことはもちろん多かったが、それなりに愉快で退屈しない日々でありました。

エッセイとカット:まかせ手