事業所番号1374202404
独立型の居宅介護支援事業所 ケアプランそら 
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  介 護 ア レ コ レ


  オイルショック  
 
「いらっしゃいませ、レギュラー満タンですね」

威勢のいい若い店員さんにオバサンはにっこり。

「ガソリンも高くなったわね」

「そうですね」

「半分がガソリン税よ。その上、消費税までつくのだから」

「はあ」

 オバサンを相手にしながらも、セッセと窓ガラスを拭いている。

「半値以下だった時もあったのよ」

「へえ、そうなんですか」

「その頃オイルショックがあってね、皆がトイレットペーパーを買いに走ったものよ」

「あ、知ってます。教科書に載ってました」

「はあっ?!」

(あ、あれは私が学生の頃よね。そんな昔のことではない。ついこの間のこと。

それなのにもう教科書に載るほどの歴史的なことなの。)

(もしかしたら、私ってオバサンではなくて、バーサン?!)


ああ、
これぞまさしく


  エッセイ:まかせ手
 
  カット:船津優子





 自分の年齢を客観的にみることは難しいもの。
 若い時は、子どもっぽくみられることを嫌った方でも、高齢になると実年齢より若く見られることが嬉しかったりしますよね。
 残念ながら、老化によって反応や判断が遅れることは避けられません。
 
 『認知症ではないから大丈夫。』
 と考えるのは危険です。

 加齢とともに認知機能(物事を記憶、判断して、考えたり理解する能力)の低下で物忘れが多くなったり、集中力や注意力の不足で、うっかりしてしまうことも増えてきます。

 認知機能は、遺伝、ストレス、体調、精神状態、経験、病気などさまざまな要因が関係しているので個人差が大きいです。
 様々な要因があるのなら、逆に、認知能力の低下を防いだり高めたりすることは、これからも可能な気がしませんか?

 また、認知症と診断されても、病気の治療をすることや、環境を整えることで、日常生活や社会生活に支障をきたすことなく暮らすことが可能かもしれません。「自分でできること」はとても嬉しいはずです。

 それに、高齢になるということは、残念なことばかりではありません。
 これまでの経験、知識は大きな財産です。
 デイサービスのスタッフは、「高齢者の方の昔話を聞き、その方の人生を知ることはとても楽しいし、学ぶことがたくさんある。」とおっしゃいます。

 仙人は、ひげを生やしたおじいさんですし、さまざまな世界で、名人と呼ばれる方は高齢者が多いです。
家庭でも、おばあちゃんの味付けはマネできないなんてこともありますよね。

 ミスマープルをご存じでしょうか。
 アガサクリスティの推理小説に登場する一人暮らしの老嬢です。
 1930年に出版された「牧師館の殺人」をはじめ、何度も推理小説に登場。世界各国で、映画、ドラマにもなっている名探偵です。
 ミスマープルは、関係者の話を聞き、自分の経験や過去にあった出来事に当てはめることで推理して事件を解決してしまいます。
 もちろん、犯人を追いかけたり、拳銃をぶっ放すなど華麗なアクションはありません。
 高齢の方ですから。
 警察署長を手の内に押さえているらしく、力仕事は、働き盛りの警察関係者におまかせです。
 
 それぞれができることをする。
 高齢者は、老獪に、若者はきびきびと。
 日常の生活もこんなふうにしていけたらと思います。

 さらに、ミスマープルの生活ぶりは、認知症予防にももってこいではないかと思うのですが。

          
 ★ 詮索好きです ⇒好奇心は大事ですよね
 ★ 社交的です ⇒おしゃべりも大事、大事
 ★ 趣味は編み物 ⇒編み物のような手先と頭を動かす作業は脳の萎縮を防ぎます
 ★ 庭いじり ⇒日光にあたると骨が丈夫になります。
⇒季節の移り変わりや草花の成長など様々な刺激を受けます。
⇒天候、日当たり、肥料など、植物が育つように考えます。
 ★ 旅行に行きます ⇒日常とかけ離れた景色環境で脳が刺激されます。


 介護される方が、何に困っているのか、どんなことが好きなのか、名探偵ミスマープルになったつもりで、人間観察してみましょう。気づいたことがありましたら、ぜひご相談ください。